ちなみに、そんな留学生たちの英語にも次第に慣れ、やがて問題なくコミュニケーションできるようになっていきました。
さまざまな英語に慣れることも、英語を話すうえでとても大切なことです。
世界ではネイティブ話者の何倍ものノンネイティブの人々が英語を話し、日常的に英語を道具として使っています。
ネイティブの英語だけが「本物」ではなく、現実に使われている英語はすべて本物なのです。
いろいろな英語に対応できることも、英語のコミュニケーションスキルの一部です。
話す内容が大切
めちゃめちゃな英語を話す留学生たちでしたが、そんな彼らとの交流はとても楽しいものでした。
人間的に魅力的な人が多かったし、同じ年代の日本人より「大人だな」と感じることもよくありました。
彼らはちゃんと自分の意見を持っていて、それを拙い英語でもどんどん伝えて来ました。
そして、上手な英語で薄っぺらな内容のことを話すより、下手でも中身のあることを話した方が、「伝わる」のです。
結局、英語力そのものよりその人の話の内容、その人の中身と人間力がものを言うんだと実感しました。
教養のある英語を話す
大学院進学後は、大学の教員たちの英語に触れました。
移民の国、オーストラリアらしく、大学の教員にもノンネイティブの先生がたくさんいました。
私の担当教員の一人は、ポーランド出身でした。
彼女の英語にはすぐにそれとわかるポーランド語訛りがありましたが、ゆっくりはっきり大きな声で話すので、とても聞き取りやすいものでした(私にはネイティブより、ノンネイティブ話者の話す英語の方が聞き取りやすいと感じます。一定以上のintelligibilityがあれば、ノンネイティブ話者同士の方がコミュニケーションしやすいこともあるかと思います)。
そして何より、その担当教員の話す英語はシンプルで文法(文構造)も語彙も洗練され、流暢かつ論理的で知性と教養を感じさせる英語でした。
彼女に限らず、他の先生たちの話す英語も概してそういう感じでした。
私は、「カッコいいな」「自分もこういう英語が話せるようになりたいな」と思ったものです。
目次:
英語の発音はどれくらい綺麗じゃなきゃいけないの?
②-大切なのは、「intelligibility」。 文法が正確であることと、ゆっくりはっきり話すこと。
③-話す内容が大切。 教養のある英語を話す。
④-発音以外のスキルや能力もバランスよく向上させる。 日本語の訛りは日本人の証!