英語4技能教育研究家・オンライン英語レッスン | 鶴岡俊樹のブログ

英語教師が、英語教育のこと、日々のレッスンのこと、趣味のジャズピアノのことについて書いていきます。

②新しい環境に慣れる〜カルチャーショックの解消 – 私の留学体験記

鶴岡オンライン英語塾

新しい環境に慣れる①クラスメートに慣れる
私の場合、クラスメートのうるささに怯えてしまい、最初の一週間がいちばん苦痛だったのですが、二週目に入ると状況も少しずつ変わっていきました。まず、騒がしく恐ろしげに見えていたクラスメートたちが、実はフレンドリーだということが分かってきました。

とくにブラジルなど南米からの留学生は体も声も大きく威圧感があるのですが、彼らに悪意などはなく概してとても友好的です。またアジア各国からの留学生には子供の頃の日本の友達が持っていたような素朴さがあり、懐かしさと親近感をもちました。

次第にクラスメートに対する恐れが消え、異文化との交流を楽しもうとする積極的な気持ちが生まれ始めました。各国からの留学生はだいたいみな優しく暖かい心の持ち主と考えていいと思います(中にはそうでない人もいますし、学校によって違うのかもしれません)。ですから恐れることなく心をオープンにして、積極的に友達をつくってみるとよいと思います。

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語学学校のクリスマスコンサート(季節は夏)

新しい環境に慣れる②英語に慣れる
次に、自分の英語に対する自信も取り戻し始めました。クラスメートの言っていることが理解できないのは、自分のせいというより彼らの英語に問題があると分かってきたのです。彼らの英語の発音は多くの場合ひどいもので、文法もめちゃくちゃでした。にもかかわらず臆することなく英語をしゃべっているだけのことでした。そのことに気づいてからは、相手の英語が理解できなくてもそれは「相手に原因があるんだ」と余裕を持って対応できるようになりました。また、ひとりひとりみな違う留学生たちのブロークンな英語にも慣れ、次第にコミュニケーションが取れるようになっていきました。

南米人の英語、恐るるに足らず
各国からの留学生の中で比べると、日本人は文法を理解しているわりにはたどたどしくしか話せないという傾向がいちばん強いようです。英語は正確に話せること(accuracy)と流暢に話せること (fluency) 両方のバランスが必要ですが、日本人の英語は正確さと流暢さの間でいちばん正確さに偏る傾向があるようです。そしてその対極が南米人です。とてもよくしゃべりはしますが、彼らの英語はブロークンもはなはだしく、英語のネイティブである先生さえも理解に苦しむほどです。ですから南米人やほかの国からの留学生がベラベラしゃべっていてもそれほど恐れる必要はありません。

南米人の態度は見習うべき
ただし、彼らの臆することのない態度は見習うべきでしょう。自分も間違いは気にせずどんどんしゃべることを心がけ、流暢さも身につけていくことが大切です。まずは少々ブロークンでも英語でコミュニケーションが取れるようになることが第一です。

新しい環境に慣れる③学校の授業に慣れる
また、学校の授業がスタートしたての頃には、ほかのクラスメートたちがみな先生の授業をちゃんと理解しているように見え、自分だけがついていってないと不安に思うことがありました。でも実際はそんなことはありませんでした。先に語学学校に入学しているクラスメートたちは、すでに数週間を学校で過ごし英語の授業に慣れているため、先生が言っていることを経験的に推測し理解することができるようになっています。しかし実際には授業の30%も聞き取れていないはずです。実はこの「推測する力」も大切な英語力の一部なのですが、そのような力も慣れによって次第についてくるので心配はいりません。

新しい環境に慣れる④二週間は様子を見る
二週目のことだったでしょうか、ある転機が自分に訪れたような気がします。今でも覚えていますが、あるとき突然、「これはすごくチャレンジングな挑戦。そしてこれを乗り越えればすごいことになるぞ!」と自分の置かれた状況を肯定的に考えられる瞬間が来ました。さらに二週目の終わりにクラスでバーベキューの遠足へ出かけ、そこでクラスメートたちと一緒に楽しんだことによってそれまでの強い緊張が解けたと感じました。

「留学当初のカルチャーショックは、はじめの二週間が一番きつい。」と聞いたことがありますが、私も例外ではありませんでした。カルチャーショックに見舞われたら落ち込んでもあまりじたばたせず、まずは二週間様子を見てみましょう。

新しい環境に慣れる⑤一人旅で自信をつける
それからは順調に時が過ぎ、五週目の終わりのクリスマスコンサート(クラスごとに皆で出し物を披露する)の頃には学校生活をだいぶ楽しめるようになっていました。その後クリスマス休暇に入り、ケアンズへ約二週間の一人旅に出ますが、帰るとホストマザーに「いい休暇を過ごしてきたようね。顔を見ればわかる。」と言われました。その頃には新しい環境にほぼ慣れ、その自信が表情にも表れていたのだと思います。そこまで約一月半ほどが過ぎていました。

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ケアンズへの一人旅、ダイビングツアーに参加する。

カルチャーショックの解消
私の留学生活のなかで、最初のカルチャーショックの克服はかなり大きなウェートを占める出来事でした。その後も勉強など大変なことはいろいろありましたが、新しい環境に慣れてさえしまえばあとはどうにかなるものです。カルチャーショックは時間が経過し環境へ慣れてくれば解消されるものですので、学校の先生、ホストファミリー、友達、日本の家族などの助けを借りながらめげずにとどまり続けていれば大丈夫です。また自分をプッシュし過ぎず、気楽な気持ちでいることも大切です。しばらく学校の勉強などは二の次にして、「やりたいことだけしてただ過ごしていればよい」というような気持ちでいればいいと思います。

もうひとつ、日本人と日本語で話して不安や不満を解消するのもいいと思います。私は日本語を話したくなかったので日本人の留学生とはほとんど交わらなかったのですが、はじめからすべて英語だけというのも辛いと思います。ただし、慣れてきたらなるべく日本人以外の人たちといる時間を増やすべきです。日本人グループでいつもつるむようになってしまうと英語はできるようになりません。

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ボンド大学の中庭で

①出発〜カルチャーショック
②新しい環境に慣れる〜カルチャーショックの解消
③課外生活〜友達と一緒に住む
④大学院進学〜帰国
⑤留学で英語力を最大限身につけるためのポイント
⑥留学によって得られるもの