皆さま、こんにちは。ユリシーズ英語教育研究所、英会話講師のShihoです。
今回は、私のお勧めする『効率的な勉強の方法:文法編』をご紹介します!
文法の理解が英会話習得の近道になる
そもそも、『英会話に文法なんて必要なの?』と思う方もいるかもしれません。
答えは、『必要』というより、理解しておいた方が絶対に近道です。
大人になってから英会話をはじめる場合、文法を理解しておくことはとても役に立ちます。
なぜなら、子どもと違い大人は英語を大量に聞いて感覚的に吸収していくより、文法という英語のルールを意識的に学習し、理性と知恵の力を使ってそのルールを運用していく方が、格段に早く楽に英会話ができるようになるからです。
とはいえ日常英会話に必要な英文法は中学生レベルで十分ですので、『またあの訳のわからない文法の勉強をしなければならないの!?』なんて思わなくても大丈夫です。
どうぞ最後までお付き合いください。
クリティカルピリオドと文法
文法がなぜ英会話の役に立つか、もう少し詳しくご説明します。
言語学によると、人間が言語を自然に身につけることができるのは一般的に10代前半の思春期までとされています(クリティカルピリオドといいます)。
帰国子女は英文法を意識せずにペラペラと英語が話せますね。
彼ら、彼女らの多くはその年代以前に海外で暮らし英語が自然に身についているので、文法のしくみを論理的に理解せずとも無意識レベルで話すことができるわけです。
クリティカルピリオドの期間内に日々英語に囲まれた生活をし、大量の英語のインプットを得るからこそ自然に身につくのです。
一方、大人になってから限られた英語環境の中で英会話を身につける場合には、『意識的な英文法の理解』→『英会話に反映させる』という形で学習する方がはるかに効率的です。
大人は子どものようなナチュラルな吸収力はありませんが、その代わり頭を使って論理的に考えることや、物事にルールを適用し汎用させることが得意だからです。
これを主語・動詞・目的語のごくシンプルな例で見ていきましょう。
私は●●が好きです。
ご存じのとおり、日本語と英語とでは単語の並べ方、語順が違います。
日本語:
私は・英語が・好きです。
主語・目的語・動詞
英語:
I・like・English.
主語・動詞・目的語
語順も単語の並べ方のルール、つまり文法です。
語順の文法ルールを無視してただ単語を並べても意味のある文は作れません。
日本語の語順でI English like.と言っても英語にはなりません。
しかし一方、英語の語順は主語・動詞・目的語ということを理解し、『I likeの後に好きなものを入れればよいのか』とわかれば、『好きなもの』を無限に言うことができるようになります。
I like sushi.
私は寿司が好きです。
I like The Beatles.
私はビートルズが好きです。
I like France.
私はフランスが好きです。
I like reading books.
私は読書が好きです。
動詞を入れ替える
また、動詞を入れ替えるだけで『好き』以外のさまざまな動作、状態について言えるようになります。
I speak English.
私は英語を話します。
I study English.
私は英語を勉強します。
I love English.
私は英語が大好きです。
I teach English.
私は英語を教えます。
主語を入れ替える
さらに、主語を入れ替えればいろいろな動作主について言えるようになります。
You like English.
きみ英語好きだよね。
We like English.
ぼくたち英語好きだよ。
My husband likes English.
私の夫英語好きなの。
Your wife likes English.
きみの奥さん英語好きだね。
このように、主語・動詞・目的語の語順のルールを知れば、そこに入る単語を入れ替えるだけで数多くの文を自分で作ることができます。
すべての文を暗記する必要などないのです。
文法は有りがたい存在
一番シンプルな例で見てきましたが、文法が英会話の役に立つとはつまりこういうことです。
ひとつのルールを知りそれを運用することによって、少ない労力で多くのことができるようになります。
敬遠されがちな文法学習ですが、文法は本当のところ私たち英語学習者を助けてくれる有りがたい存在なのです。
確かに無数にある英単語を覚え語彙力をつけるのは大変です。
でも文法の場合、日常英会話に必要なものはそう多くありませんし、中学生レベルの文法は難しくありません。
文法は一度きちんと把握してしまった方が後が絶対に楽です!
〜英文法の効率的な学習方法を紹介〜
前置きが長くなりましたが、私のお勧めする日常英会話のための英文法の効率的な学習方法をご紹介しましょう。
ステップ1:自分に合う文法問題集を1冊だけ手に入れる
上述した通り、日常英会話に必要な英文法は中学生レベルなので、問題集も中学生用のもので十分です。
文法問題集は1冊に絞り、それを大まかに理解することを目指しましょう。
受験勉強ではないので、完璧を目指す必要はありません。
中学3年間分で200ページくらいの薄手の量で、解説はシンプルで演習問題が多めなものがベストです。
解説の細かいところまで気にすることはありません。
それより演習問題を多く解き文法の仕組みを脳に定着させることが大切です。
英文法は読んでただ理解するだけでは実践に移すには不十分だからです。
ステップ2:1周するまでの計画を立てる
自分のペースで、無理なく達成できる計画を立てます。
例えば200ページ24章の問題集の場合は、1章を5日間かけてじっくり解いても4か月で終わらせることができます。
できるだけストレスなく継続することが大切なので、ご自身の都合に合わせて計画を立ててください。
ステップ3:解く
実際に学習する際の流れは、次の通りです。
① 解説をゆっくり読みながら大まかに理解する。
② 例文を音読する。
③ 演習問題を解く。
④ 7~8割解ければ合格。
*前日の復習から入ると効果的。ただし復習はあまり時間をかけずにさらっとするのがお勧め。
*2周目くらいまでやるとさらに理解が深まります。正解率は2周目終了時点で8割くらいでOKです。
繰り返しになりますが、日常英会話に必要十分な英文法を学ぶことが目的なので、100パーセントは目指さない方がいいです。
100パーセントを目指すと勉強が苦痛になってしまいます。
いかがでしたか?
英会話に必要な英文法を、皆さまにできる限り効率的にストレスなく学習していただければと思います。
そして英文法をマスターした後は、それを実際の英会話に生かしていく実践練習が必要です。
例えば英会話スクールに通ったり、外国人のお友達を作ったりするといいでしょう。
文法を学習し英文の構造を理解したことにより、アウトプットがずっとしやすくなっている状況にきっと驚かれると思います!
それでは、また次回の記事でお会いしましょう!