皆さま、こんにちは。ユリシーズ英語教育研究所、英会話講師のShihoです。
前回の日常英会話に必要な文法の学習法をご紹介した『効率的な勉強方法:文法編』に続き、今回は英会話初心者、初級者のための語彙力増強法、『効率的な勉強方法:語彙編①』をご紹介します!
語彙力は『英会話の木』に茂る葉
『これが言いたいのに、単語が出てこない…!』
『この人が言っている~って単語、どういう意味だろう?』
『~って言いたいとき、いつも同じ英単語しか使ってないな…』
英会話の最中、こんなふうに感じたことがありませんか?
恐らく100パーセントの方が『はい』と答えるでしょう。
もちろん私自身も何度も感じ、歯がゆい思いをしたものです。
文法力を木の幹と枝に例えるとすると、語彙力はそこに茂る葉になります。
私たちの『英会話の木』にたくさんの葉が茂れば茂るほど、いろいろな事柄について豊かな表現力で話せるようになります。
英単語を覚えるのは好きですか?
しかし英単語は無数に存在しています。
それらをひとつひとつ覚えボキャブラリーを増やすのには膨大な時間がかかり、英語学習者にとって苦痛の伴う大変な作業です。
実際、私は今までたった一人しか『英単語を覚えるのが好き』という人に出会ったことがありません。
彼女は大学時代の友人でしたが、生来英語の勉強が好きで、単語の暗記も苦も無く楽しむことができ、結局海外留学まで果たしました。
ただ、彼女のような人は例外だと思います。
そこで、その厄介な英単語学習をなるべく苦痛なく楽に行えるよう、今回は英会話初心者、初級者のための効率的な語彙力増強法をご紹介します。
コツは単語帳を使わないこと
英会話初心者、初級者の語彙力増強のコツを凝縮して言えば、
1.すでに知っている単語を掘り起こす。
2.実践を通じて身につける。
3.単語帳は使わない。楽しいことをやり、ストレスのかかることはやらない。
となります!
語彙力の強化というとまず単語帳を使った学習が思い浮かびます。
しかし、英会話初心者、初級者の方には単語帳を使った学習はお勧めしません。
なぜなら、単語帳での暗記はストレスになり、結局あまり覚えられずに挫折してしまうことがほとんどだからです。
受験勉強ではないので、なるべく楽に楽しみながら英会話学習を継続することが大切です。
せっかく英会話をはじめたのだから、まずは英語で会話することを楽しみましょう。
ここで無理をして英会話が嫌になってしまっては元も子もありません。
単語を掘り起こし活用する
それではどうするか?
すでに知っている単語を掘り起こし活用するのが得策です。
私たちは日常英会話で必要な単語の多くを、すでに中学高校で学んでいます。
中学高校で教わる英単語は基本的かつ重要なもので、実際の英会話でも使用頻度の高いものがほとんどです。
新たな単語をゼロから覚えるより、忘れて頭の中に眠っているそうした単語たちを呼び覚ましていく方がずっと楽で効率の良いやり方です。
ではどうやって眠っている単語を呼び起こすのか?
英会話を実践することによって呼び起こすのが一番かと思います。
机の前に座って『はい、今から単語の勉強をします』というより、まず実際に英会話をしてみて、その実践の中からひとつひとつ思い出していくのがよいでしょう。
思い出した単語をさらに実践的に使うことによって、実際に自分が使うことのできる語彙(アクティブ・ボキャブラリー)の範囲を広げていきます。
また、新たな単語も単語帳は使わず、実践を通じて出てくるたびに一個一個覚えていくのがストレスもかからず近道です。
まずは英会話を実践してみましょう!
さらに、補足的にリーディングをしたりテキストや問題集を使ったりすれば、日常英会話に必要な語彙力はどんどん付いてきます。
〜効率的な語彙力のつけ方を紹介〜
それでは、初心者、初級者の方向け語彙力増強法をもう少し具体的に見ていきましょう。
1.英会話の実践の中から身につける。
英会話スクールへ行ったり外国人の友達を作ったりするなど、まず英会話を実践できる機会を作ります。
そこでの実践の中で出くわした単語をその都度身につけていきます。
忘れている単語もどんどん思い出していくはずです。
実際の英会話で出てくる単語は使用頻度の高い単語です。
また、生きたコミュニケーションの中で遭遇した単語はより印象強く覚えることができます。
わからなかった、もしくは気になった単語は辞書で調べてみましょう。
紙の辞書より電子辞書がお勧めです。
持ち歩きも便利ですし、何より調べるスピードが圧倒的に速いからです。
文明の利器は積極的に使いましょう。
この時、会話の最中には辞書を使わず、単語の個別の意味より会話全体に集中して、相手が何を言っているのかその要点を理解することにフォーカスしてください。
会話中に辞書を引かれるのは相手もいい気持ちはしませんし、わからない単語があっても意味を大きくとらえるスキルはコミュニケーションではとても大切です。
その場は『What does ~ mean? (~はどんな意味ですか?)』と聞いてキーワードとなる単語の意味をだいたい理解しておき、会話後に辞書を使い正確な意味を日本語で確認しましょう。
スペリングは『How do you spell it?(それはどうスペルしますか?)』と聞くことができます。
一度調べただけではすぐ忘れてしまいがちなので、できればノートにとることをお勧めします。
ただ、ストレスになってはいけないので、ノートにとることが面倒であれば「英単語⇔日本語の意味」をセットで5回、口で唱えて終わりにしましょう。
そうするだけでも、次に出てきたときにはスムーズに思い出せるはずです。
2.英会話スクールのレッスンを復習しましょう。
1と関連しますが、もし英会話スクールに通っていれば、レッスンで出てきた単語をサラッと復習をすることをお勧めします。
復習は帰りの電車で5回(心の中で)唱えるだけでもOKです。
レッスンに出てくる単語は日常英会話で頻繁に使用されるものである可能性が高いので、そのままほったらかしにしておくのはもったいないです。
レッスン内容と関連付けて覚えるとより記憶が定着するので、忘れないうちに早い段階で確認するのがいいかもしれません。
3.英語の本を読む。ラジオ英会話のテキストを読む。
1、2の英会話の実践だけでも徐々に語彙力は高まりますが、さらに意欲と余力があればリーディングによって語彙力をつけるやり方もあります。
単語帳と違い読む楽しみも得られるため、お勧めの方法です。
読むものはストレスなく楽しめるものなら何でも構わないのですが、いきなりペーパーバックの洋書や雑誌などは難易度が高いので、まずはペンギンリーダーズなどの英語学習者用レベル別読本が読みやすいと思います。
定番の映画や小説などがレベル別に読みやすい英語で書かれており、スラスラと楽しんで読めます。
読み方は『多読』がお勧めです。
わからない単語があってもいちいち辞書を引かず大きくストーリーをとらえ、とにかく楽しんで読むことを重視します。
楽しくない時は途中でも読むのをやめます。
ストーリーに夢中になりたくさん読むことによって必要な単語は自然に覚えてしまいます。
ラジオ・テレビの英語学習プログラムを活用してもよいでしょう。
現在では、NHKのラジオやテレビ番組などで、英会話初心者、初級者を対象にした質の良い大人用プログラムがたくさんあります。
その中でも、テレビの『おとなの基礎英語』はお勧めです。
ストーリーも面白く、知っておくと便利なよく使われる単語や口語表現が満載されています。
4.中学生用文法問題集を解く。
前回の記事、『効率的な勉強方法:文法編』で取り上げた日常英会話に必要な文法の学習方法です。
これは文法力を付けるだけでなく、日常英会話に最低限必要な基本単語を復習するのにも最適なので、ぜひお勧めします。
中学生用文法問題集には『中学生が知っているべき英単語=日常英会話で最低限知っておくべき英単語』が網羅されています。
これを思い出すだけでもかなりの範囲の日常英会話をカバーすることができます。
やり方は、ただ問題集を解くだけでOKです。
基本的な単語ばかりなので、すぐに思い出すことができます。
目標はあくまで英会話ができるようになること
以上になります。
とりあえず上記の1~4を行うことによって、日常英会話に困らない語彙力は確実についてくるはずです。
英会話の実践をベースに、忘れている単語を思い出し、遭遇する単語をひとつひとつ取り込んでいく。
楽しむことに主眼を置きながら会話やリーディングをおこない、それらを通じて無理せず少しずつ語彙力をアップさせる…といったところがポイントです。
目標はあくまで英会話ができるようになることなので、くれぐれも単語学習そのものが目的となって英語の勉強が苦痛になってしまわないようにしましょう。
どうか肩の力を抜いて楽に臨んでください!
次回記事はさらに上を目指す方向けの番外編として、単語帳を使った単語学習の仕方、『効率的な勉強方法:語彙編②』をご紹介します。