英語の4技能とは
今回の記事では、学校英語教育改革が目指している「英語4技能」とはなにか、まずは簡単にご説明したいと思います。
いわゆる英語の4技能(4skills)とは、英語を「聞く」「話す」「読む」「書く」能力のことを言います。
これらがまんべんなく身についていると、バランスのよい英語の話者(使い手)ということになります。
英語を話すこともできるし、読み書きもできるということです。
英語力を構成するもの
英語力を構成するものにはこの4技能のほかに、「文法」と「語彙」があります。
「文法」は言葉のルールのことで、英語だと「主語の次は動詞」という語順の決まりも、文法ということになります。
そして、この英文法が英語の4技能すべてをコントロールしています。
「聞く」とき「話す」とき、または「読む」とき「書く」とき、すべて英文法のルールにしたがって英語を理解したり発話したり、書いたりします。
英単語を適当に、「動詞…主語…目的語」と並べてみても、英語にはなりません。
英語では「主語・動詞・目的語」の順に並べないと、そこに意味は発生しないのです。
だから「文法」はとても大切なんですね。
また「語彙」は、英語のセンテンス(文)を作る「材料」と考えてください。
「語彙」という「材料」を、「文法」というルールにのっとってあれこれ組み替えることによって、いろいろな英文を作ることができるんです。
材料がなければ英文を作ることができないので、「語彙」もまた、欠かすことのできないものです。
英語4技能は「本物の英語力」
「文法」「語彙」まで含めた、統合的で総合的な英語力、それが今回の改革で日本の英語教育が目指そうとしている「英語4技能」だと私は理解しています。
「聞く」「話す」「読む」「書く」そして「文法」「語彙」を、ばらばらに身につけるのではなく、それぞれを有機的に関連付けながらバランスよく統合的に学び、グローバル社会で実際に役立つ英語力、いわば「本物の英語力」を身につけることを目標にしているのです。
要するに「使える英語」を学ぶということですが、これまでの日本の学校英語教育で偏って教えられてきた「文法」「読解(読む)」に、ただ単に「話す」や「書く」のアウトプットも追加しましょうというのとは少し違って、もっと本質的な英語学習をしようということだと思います。
ですから「4技能」と言っても「文法」「語彙」は引き続き学習しなければなりませんし、従来の「文法」「読解」の学び方も変わって来るはずです。