二つのステップを踏めば、楽に正確な疑問文を作ることができる。
皆さま、こんにちは。ユリシーズ英語教育研究所、英会話講師のShihoです。
前回、前々回と二度にわたって疑問文の作り方をご紹介してきました。
これで、日常英会話レベルの基本的な疑問文はおおよそ作ることができます。
しかし、『疑問詞で始まるクエスチョン』の発展したタイプとして、知っておくと更に便利な疑問文があります。
次の日本語を見てください。
A:あなたはどのレストランに行きたいですか?
B:あなたはいつも誰と図書館に行くのですか?
C:あなたは誰からこの本をもらったのですか?
日常会話でもよくたずねそうな質問ですね。
でも、これらを英語で言う際、ちょっとした落とし穴があります。
Aの文を、Which restaurant do you want to go? とする人がよくいますが、それは間違いです。
正しくは、Which restaurant do you want to go to? となります。
前置詞の『to』が、文の最後に置かれていますね。
このような前置詞がからんでくるタイプの疑問文は会話でも使う頻度が高い一方、生徒さんからは『作るのが難しい』とよく言われます。
でもあるコツをお教えすると、『なるほど!』『その発想でいくとわかりやすい!』と言っていただけます。
そこで今回は疑問文を作るコツの最終回として、『疑問詞で始まるクエスチョン』の発展編、『前置詞がからむタイプ』をご紹介します!
『疑問詞で始まるクエスチョン-前置詞がからむタイプ』の作り方を紹介
上の3つの日本語を英語にする際、疑問詞になる部分はそれぞれ『どのレストランに』、『誰と』、『誰から』ということはもうおわかりですね。
この時、『どのレストランに』、『誰と』、『誰から』の下線部のところに前置詞が必要そうだなということは何となくわかると思います(特別な見極め方はありませんが、経験で徐々にわかってきます。)。
そんな時は『前置詞はどうしよう?』と恐る恐る取り掛かるより、次の手順を踏んでゆっくり作った方が、結果的に楽に正確な疑問文を作ることができます。
●ステップ1:いったん疑問文を肯定文にする。
●ステップ2:その肯定文を疑問文にする。
詳しく見ていきましょう。
ステップ1:いったん疑問文を肯定文にする。
日本語の疑問文をまず肯定文にし、それをもとに英語の肯定文を作ります。
その際、疑問詞にあたる部分は適当に具体的なものに置き換えておきます。
A:あなたはどのレストランに行きたいですか?
⇒ あなたはあのレストランに行きたいです。
(『どの』を仮に『あの』と置きます)
⇒ You want to go to that restaurant.
B:あなたはいつも誰と図書館に行くのですか?
⇒ あなたはいつもTomと図書館に行きます。
(『誰』を仮に『Tom』と置きます)
⇒ You usually go to the library with Tom.
C:あなたは誰からこの本をもらったのですか?
⇒ あなたはMaryからこの本をもらいました。
(『誰』を仮に『Mary』と置きます)
⇒ You got this book from Mary.
以上です。
次のステップでこれらを疑問文に直していきます。
ステップ2:その肯定文を疑問文にする。
ステップ1で作った英語の肯定文を疑問文にします。
その際の手順は次の通りです。
①肯定文の中の尋ねたい箇所(下線部)を疑問詞にする。
②疑問詞のみ(または疑問詞のまとまり)を先頭に持ってくる。
③疑問詞以下をYes/ Noクエスチョンの作り方に従って疑問文を作る。
この3つの手順を押さえれば、見逃しがちな前置詞を忘れることなく、より正確に疑問文を作ることができます。
それでは仕上げとして、ステップ1、ステップ2の手順を踏んで疑問文を完成させていきましょう。
A:あなたはどのレストランに行きたいですか?
ステップ1: いったん疑問文を肯定文にする。
あなたはあのレストランに行きたいです。
You want to go to that restaurant.
ステップ2:その肯定文を疑問文にする。
①肯定文の中の尋ねたい箇所(下線部)を疑問詞にする。
①You want to go to which restaurant.
②疑問詞のみ(または疑問詞のまとまり)を先頭に持ってくる。
②Which restaurant you want to go to.
③疑問詞以下をYes/ Noクエスチョンの作り方に従って疑問文を作る。
③Which restaurant do you want to go to?
あなたはどのレストランに行きたいですか?
これで完成です。
次はBです。手順は変わりません。
B:あなたはいつも誰と図書館に行くのですか?
ステップ1:いったん疑問文を肯定文にする。
あなたはいつもTomと図書館に行きます。
You usually go to the library with Tom.
ステップ2:その肯定文を疑問文にする。
①肯定文の中の尋ねたい箇所(下線部)を疑問詞にする。
①You usually go to the library with who.
②疑問詞のみ(または疑問詞のまとまり)を先頭に持ってくる。
②Who you usually go to the library with.
③疑問詞以下をYes/ Noクエスチョンの作り方に従って疑問文を作る。
③Who do you usually go to the library with?
あなたはいつも誰と図書館に行くのですか?
これで完成です。
最後のCは、皆さんと一緒にやってみましょう。
C:あなたは誰からこの本をもらったのですか?
ステップ1: いったん疑問文を肯定文にする。
まずは日本語の肯定文にすると(『誰』を『Mary』と置きます)…
答)あなたはMaryからこの本をもらいました。
そうですね!次にこれを英語にします…
答)You got this book from Mary.
OKです!次はステップ2です。
ステップ2:その肯定文を疑問文にする。
①肯定文の中の尋ねたい箇所(下線部)を疑問詞にする。
Maryはもともと『誰』でしたね…
答)You got this book from who.
②疑問詞のみ(または疑問詞のまとまり)を先頭に持ってくる。
これは簡単…
答)Who you got this book from.
③疑問詞以下をYes/ Noクエスチョンの作り方に従って疑問文を作る。
これもすでにマスターしていますね…
答)Who did you get this book from?
あなたは誰からこの本をもらったのですか?
完成です!
いかがでしょうか。
前置詞を伴う疑問文は作るのが難しく、前置詞を入れ忘れてしまいがちですが、この方法で苦手意識が薄れた生徒さんも少なくありません。
はじめは上の二つのステップを踏んでゆっくり作ってみてください。
慣れればどんどんスムーズに作れるようになりますよ。
疑問文を作るコツ③