私がカナダ留学で経験した、カナダの大学の「授業」と「試験」についてご紹介します。
こんにちは!C. ダイアナ English Schoolの姉妹スクール、ディディEnglish School講師のYumekoです。
私の留学体験記でもシェアさせていただきましたが、今回は、私が経験したカナダの大学の「授業」と「試験」に焦点を絞ってご紹介します。
【1】授業 ~発言の質よりも、まず存在を示すこと~
大学での授業内容は、専攻するコースの特性や教授によって異なってきます。
ただ、全体的には、(日本の大学も似ているかと思いますが)1,2年次のクラスは大講堂で大人数の生徒に対しておこなう講義形式が多く、3,4年次になるとディスカッションや個別研究の発表(スピーチなど)が中心でした。
私は個人的に、3,4年次のクラスが好きでした。
さまざまな学生の考えを聞くことができ、好きなテーマを掘り下げて研究することができたからです。
使用する教材もトピックが定まったものになり、単なる情報のインプットよりも、それを知ったうえでどう考えるか、というアウトプットが重視されました。
「社会派ドキュメンタリーを観て何を考えたか」から、「多数派の意見を尊重するのは倫理的に正しいか」まで、さまざまなトピックがありました。
カナダ現地の学生も、他の国からの留学生も、さまざまなバックグラウンドからきた考え方をシェアしていたので、クラスメイトの意見を聞くだけでも文化の勉強になりました。
私自身、人前で話すことは苦手ではありませんでしたが、すばやく考えをまとめ、それを英語で発表することは、やはりその度に緊張を伴うものでした。
ただ、ディスカッション中の積極性や、発表の質が直接成績に影響することが多かったため、いつでも自分の考えを発信できるよう準備していました。
まずは、発言の質よりも、とにかく何かを話して存在を示すこと。
その後、教授や他の学生の発言も取り入れながら考えを深め、発言の質を高めるようにしていました。
周りの学生を見ていて感じたのは、「完璧で素晴らしいことを言わなければいけない」というプレッシャーを持たなくてもいいということ。
見当違いの発言をして恥ずかしい思いをしたこともありますが、それも学びのプロセスの一部。
それがわかってからは、発言も気楽にできるようになりました。
【2】試験 ~意見の正誤ではなく、論理性が大切~
試験も、コースや教授によってやり方が異なっていました。
ただ、私が印象に残っているテストは、3,4年次に多かった特定のテーマについての自分の考えを書く記述式の試験です。
試験問題は例えば、ある社会現象がもたらす影響のメリットとデメリットを説明し、そのうえで賛成か反対か具体例を用いて記述する、といったものでした。
意見自体に正誤はありませんが、その意見を授業で習った理論や具体例を使ってどう論理的に伝えることができるか、というのが評価のポイントでした。
テキストの内容をただ暗記すればいいという試験勉強とは違う難しさはありましたが、本当にその分野について考えを深めるという観点では、有効な試験方法だと思いました。
試験中は、今までの人生で培った経験と知識をすべて使う勢いで、頭脳をフル回転させていたのを覚えています。
こういった試験を通し、「正解は一つではない」ということが実感でき、他者から言われたことを鵜呑みにする前に自分の頭で考える、そしてそれを人が納得できる形で説明することの大切さを学びました。
【最後に】
このように、カナダの大学に通っているときは、「自分の考えを表現しなくては!」という発信することへのプレッシャーを感じながら、日々勉強をしていました。
振り返るとそれは「いいプレッシャー」であったと思います。
そして、現在私が英会話講師としてレッスンをする際、皆さんの積極的な発言を促すのは、こういった背景もあります。
日常会話は試験ではないし、どんな会話もすべて学びのプロセスですから、完璧である必要はないのです。
ただ、発信したいという思いが、英語学習をぐんと促進させると、私は考えています。