英語4技能教育研究家・オンライン英語レッスン | 鶴岡俊樹のブログ

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⑪日本人教師の長所 – 英語習得の道筋を熟知しており、学習のサポートを提供することができる – 日本人教師による英語教育を!

鶴岡オンライン英語塾

4.英語習得の道筋を熟知しており、学習のサポートを提供することができる。

日本人教師は、自らが学習者として英語を学んだ経験から、英語習得の道筋を熟知しており、どう英語を学習したらよいのか知っています。

そのため、生徒の英語学習を支え、またそれを促進させる、さまざまなサポートを提供することができます。

learning strategies(英語の効果的な学習の仕方)をより良く教えることができます。

また、学習者が学習過程でつまずきやすい箇所を認識しており、それを回避することができます。

 

「ネイティブと同じ方法で英語をマスターする」ことはできるのか

「ネイティブと同じ方法で英語をマスターする!」・・・このような英会話スクールや英語教材のうたい文句を見かけることがよくあります。

しかし、ネイティブと日本人では、英語の身につけ方に決定的な違いがあります。

日本人はネイティブと同じやり方では英語を身につけることはできません。

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ネイティブと同じ方法で英語はマスターできない。

 

ネイティブ = 英語を「自然に」獲得

英語のネイティブは、生まれたときからある一定期間(クリティカルピリオドと呼ばれ、だいたい思春期までといわれています)を英語の環境で育つことによって、英語を「自然に」獲得(acquisition)した人たちです。

 

日本人 = 英語を「学習」によって習得

しかし対するわたしたち日本人は、ネイティブのような英語の環境に囲まれているわけではありません。

したがって、どうやってもネイティブと同じように「自然に」英語を獲得することはできません。

ここで言う英語の環境とは、常に英語に囲まれ英語で生活するということですので、たとえ早期に学び始めたとしても、週に一時間程度、英語教室に通うくらいではまったく足りません。

「自然に」英語を獲得するネイティブに対して、日本人は意識的な「学習」(learning)によって英語を習得します。

これが、日本人が英語を身につける唯一の方法です。

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「学習」が、日本人が英語を身につける唯一の方法。

確かに、「英語のシャワーを浴びる」というような、ネイティブが英語を獲得したのと同じような英語環境に身をおくことも大切です。

しかしそれは、英語を習得するために必要な英語学習全体の一部でしかなく、それだけで英語をマスターするということはあり得ません。

 

「英語山」のたとえ・・・

ネイティブと日本人がそれぞれどのように英語を身につけるか、その違いをわかりやすく登山にたとえて説明してみましょう。

いまMt. English、「英語山」が目の前にあり、ネイティブと日本人が登ろうとしています。

頂上へ近づけば近づくほど高い英語力を獲得していることを意味します。

この「英語山」に登るとき、ネイティブはふもとからケーブルカーを利用することができます。

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そして、それに乗って「自然に」「苦労なく」八合目付近まで一直線で到達することができます(これが「獲得」です)。

しかし、ネイティブといえど頂上までケーブルカーで行くことはできません。より高い英語力を身につけるには、日本人が「国語」を学習するように、ネイティブも母語として英語を学習しなければなりません。)。

一方、日本人ははなからこのケーブルカーに乗ることができません。

英語山に登るには、曲がりくねった山道を、試行錯誤、道を探しながら、一歩一歩自らの力で登るしかないのです(これが「学習」です)。

そしてこの道の途中にはさまざまな危険箇所(英語学習者がつまずきやすい箇所)が待ち受けているのです。

 

日本人教師は「英語山」を熟知するよい登山ガイド

日本人英語学習者がこの「英語山」を登るときに、日本人教師は強力なサポートを提供することができます。

「英語山」をすでに一度登り、その道筋を良く知る先輩として、これから同じような道をたどって英語を学習する生徒を導く、良いガイドになれます。

自らの経験から、どうやったら英語ができるようになるかを良く知っており、「英語山」山頂に通じる英語学習の道筋に沿って生徒を引っ張り上げることができます。

効果的に英語を学習する近道も知っているし、学習者がその道筋で遭遇するさまざまな困難箇所を予測し、あらかじめ回避することもできます。

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この学習者がつまずきやすい困難箇所とは、たとえば語順や時制の感覚など、主に日本語と英語の違いが原因で引き起こされるものです。

日本語と英語の両方を知る日本人教師は、それら二つの言葉を比較、対照し、それによってつまずきの原因を理解し、回避が可能になるわけです。

一方、ケーブルカーが使えるネイティブ教師は「英語山」を自らの力で登っておらず、「英語山」の登山道がどうなっているのかをよく知りません。

英語を外国語として学習した経験を持っておらず(母語としては学習しますが)、どのように英語が学習されるのかを日本人教師ほど理解していません。

したがって、英語学習をサポートし導く、日本人教師ほどの良いガイドになることはできません。

また、日本語の知識のないネイティブ教師の場合、日本人教師のように日本語と英語を比較し、困難箇所を避けることも難しくなります。

 

日本人教師による英語教育を!(目次)
①日本人教師に教わることは必要か
②英語の初心者、初級者にネイティブ教師は早すぎる
③英語の初心者、初級者にはネイティブ教師より日本人教師
④「ニュータイプ日本人英語教師」とは・・・

⑤ネイティブ教師とも対等に渡り合える「ニュータイプ日本人英語教師」
⑥ネイティブ教師の長所は?ネイティブ教師の短所は?
⑦日本人教師の短所は?
⑧日本人教師の長所 – 日本語を使用して教えることができる
⑨日本人教師の長所 – 英文法に精通しており、ネイティブ教師よりうまく教えられる
⑩日本人教師の長所 – 生徒の目標になることができる
⑪日本人教師の長所 – 英語習得の道筋を熟知しており、学習のサポートを提供することができる
⑫日本人教師の長所 – 生徒をよりよく理解することができる
⑬日本人教師のすべきこと・・・