英語4技能教育研究家・オンライン英語レッスン | 鶴岡俊樹のブログ

英語教師が、英語教育のこと、日々のレッスンのこと、趣味のジャズピアノのことについて書いていきます。

⑫日本人教師の長所 – 生徒をよりよく理解することができる – 日本人教師による英語教育を!

鶴岡オンライン英語塾

5.生徒をよりよく理解することができる。

教師が生徒のことをよく理解しているということは、言うまでもなく重要なことです。

日本人教師は、生徒と同じ日本で生まれ育ち、社会的、文化的なバックグラウンドを共有しています。このため同じ日本人として、生徒の気持ちや心をよりよく理解することができ、精神的な支えになることができます。

ネイティブ教師との異文化交流が楽しい一方、英語を学習していく上でこうした心の理解者も必要です。

また、語学学習は大変な労力と困難を伴うものです。

日本人教師は、自らが苦労して英語を習得した経験から、語学学習の困難さを知っています。したがって学習者の気持ちにより共感でき、学習者を励ますことができます。

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大船教室でのハロウィーンイベントの様子

これに対し、ネイティブ教師は英語を「自然に」「苦労なく」獲得したため、英語学習の大変さを身をもって体験していません。

そうしたネイティブ教師の中には、自分が教えたことをなぜ生徒が分からないのかが理解できず、「なんでこんな簡単なことがわからないの」とフラストレーションを溜めてしまう人もいます。

さらに言えば、英語教育も「教育」であって、単に英語を教えるだけのものではありません。

日本の小学生、中学生、高校生のことを理解し、教え導くことができるのは、同じ日本人の先生ではないでしょうか。

学校や塾の英語の先生には、そうした「教育者」としての役割も大きいと思います。

 

日本人教師は、「縁の下の力持ち」

以上、日本人教師の長所を5つ、順番に見てきました。

このような長所、特性を持つ日本人教師を総合的に見ると、日本人教師は、「縁の下の力持ち」であると言えると思います。

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日本人教師は「縁の下の力持ち」

日本語を使って分かりやすく、生徒を緊張させずに教え、英語理解の要である文法に強く、生徒の現実的な目標になることができ、英語学習の先輩としてさまざまなサポートを提供し、生徒を心の面でも理解し支えることができる。

これらの長所を駆使しながら、生徒の英語力の土台を、最も効率よい方法で築いていく。そして生徒を陰で支えながら、やがて生徒たちが外国人と英語でコミュニケーションするというチャレンジに向けて、地道に準備を進めていく。

裏方かもしれませんが、とても大切な役割を日本人教師は持っています。

 

日本人教師とネイティブ教師、理想の英語教育のかたちは?

これまで見てきた通り、日本人英語教師はさまざまな長所を持ち、ネイティブ教師より優れた部分があります。

しかし、どちらの教師が優れているかを争うのがこの記事のテーマではありませんし、そもそも日本人教師とネイティブ教師が英語教育の分野で敵対関係にあるわけではありません。

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日本の英語教育において、日本人教師とネイティブ教師は、お互いが補完し合い、協力し合う関係にあるのが望ましいと考えられます。

日本人教師とネイティブ教師が互いの長所を生かし、短所を補い合いながら協力して教えるのがもっとも効率的であり、理想的な形です。

もう少し具体的に言えば、英語の初心者、初級者は主に日本人教師が教え、ネイティブ教師は「ネイティブとの英語に慣れる」程度に補助的にかかわります。そしてレベルが上がるにしたがって、段階的にネイティブ教師の教える割合を増やしていくのが合理的です。

あるいは文法や読解は日本人教師、会話やライティングなどはネイティブ教師のように、得意分野を分担するのも理にかなったやり方です。

 

日本人教師が中心になって教える

ネイティブ教師と協力して教えるにしても、日本の英語教育の中心は日本人教師が担い、日本人教師がその主導権を持つべきです。

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日本人の英語教育は日本人の手でされなければなりませんし、日本人教師にはそうするだけの力があります。ネイティブ教師はあくまで補助の役割で、ネイティブ教師に頼り過ぎてはいけません。

また、日本にいるネイティブ教師の数は限られ、ネイティブ教師の人件費は日本人教師よりふつう高額です。したがって、ネイティブ教師から教わることはある意味「贅沢」とも言えます。

そうした点から考えても、必要以上にネイティブ教師から教わろうとすることを避け、ネイティブ教師でなくても教えられるところは日本人教師がどんどん教えるべきです。

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日本人の英語力向上のためには、もっと「ニュータイプ日本人英語教師」が増え、そのような日本人教師が中心となって教えるようになる必要があります。

あるいはそのために、訓練された日本人英語教師をシステマティックに養成するための大学等、高等教育機関での仕組み強化も必要かもしれません。

 

日本人教師が自らの価値を高めるためにすべきこと

日本人教師(非ネイティブ教師)は、決してネイティブ教師より劣っているわけでも、ネイティブ教師のおまけのような存在でもありません。

日本人教師の持つ強みをティーチングに適切に生かせば、その強みが英語力の弱点を埋め合わせ、ネイティブ教師と同等の価値を持つ教師になることができます。

しかし、ネイティブ教師と対等に張り合える英語教師になるには、日本人教師ももっと教師として研鑽を積み、自らの価値を高めていく必要があります。

そのために、日本人教師が努めなければならないことがあります。それは・・・

 

日本人教師による英語教育を!(目次)
①日本人教師に教わることは必要か
②英語の初心者、初級者にネイティブ教師は早すぎる
③英語の初心者、初級者にはネイティブ教師より日本人教師
④「ニュータイプ日本人英語教師」とは・・・

⑤ネイティブ教師とも対等に渡り合える「ニュータイプ日本人英語教師」
⑥ネイティブ教師の長所は?ネイティブ教師の短所は?
⑦日本人教師の短所は?
⑧日本人教師の長所 – 日本語を使用して教えることができる
⑨日本人教師の長所 – 英文法に精通しており、ネイティブ教師よりうまく教えられる
⑩日本人教師の長所 – 生徒の目標になることができる
⑪日本人教師の長所 – 英語習得の道筋を熟知しており、学習のサポートを提供することができる
⑫日本人教師の長所 – 生徒をよりよく理解することができる
⑬日本人教師のすべきこと・・・